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人として               

かつて松下政経塾塾頭をされていた上甲先生は「経営者が一番やってはならないことは、言っていることと、やっていることが違うこと。」と教えてくださいました。

 稲盛塾長は、盛和塾例会において「経営者にとって最も重要な資質は何ですか?」との問いに、「一つは平均を上回る程度の知性。もう一つは高い倫理性だ。」と答えられました。

 「いわゆる頭の良さは、ほどほどで構わない。平均を上回れば十分。しかし、倫理観は違う。人並み外れた高い倫理観・道徳観を持たなければならない」と。

 世の中(社会)に貢献するという果てしない夢を追い続ける企業活動において、最も重要なものは“人として正しいか”という倫理観であると教えてくださいました。

 政治経済、企業をめぐる不祥事が頻発し、日本の倫理観の衰退が言われていますが、これは短期的な私利私欲を追いかけてしまった結果に他なりません。倫理観の欠落した私利私欲は、会社を破滅へと導きます。人生も全く同じです。

 コンプライアンスが重要視されるようになって久しく、一般的にコンプライアンス=法令遵守と解されていますが、これは、法令を守っていれば良いというものではありません。

たとえ法に触れていなくとも人としての良心に照らし、間違いかもしれないと思うのであればすべきではないということ。高い倫理観を含めた規範を遵守するということです。

 とはいえ人は弱い生き物です。私自身も、ともすれば私利私欲に流されてしまいそうになることも多々あります。そんな時は常に「お天道さまが見ている」と自分を戒め、自分都合ではなく「人として何が正しいか」を判断基準として行動するよう心掛けています。

 時代が変遷しても、どんな環境下にあっても、常に自身の人間性を磨き、「人として普遍的に正しいことは何か」を考え行動することが、必ず成功へと導いてくれるのだと思います。

理事長 渡辺 忠

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