読書が趣味と言うほどではありませんが、最近2冊続けて出家したお坊さんが書かれた本を読みました。
そこには、「心を穏やかに過ごす・穏やかな人格」といった内容のことが書かれていました。「怒りというものは、人を自分の思い通りに動かそうとすることから生じます」と書かれており、まさにその通りであると痛感いたしました。
「怒る」と「叱る」は違います。怒りとは自分のための感情です。叱るとは、相手のための改善・注意・アドバイスの感情です。自分のためか相手のためかの違いです。
以前読んだ本で、『怒りに正しさはない』と書かれていたことがあり、それを理解した後は、怒ることがほとんどなくなりました。
自分の感情で怒る事が、自分にとって何の得になるのか。怒りの感情が、自分自身や周囲に与える影響で、よくなることがあるのでしょうか。全く無いと言っても過言ではないと思います。
これから先の人生で、怒っていたり、文句を言っていたり、他人を批判していたりするマイナスの思考で過ごす時間と、笑っていたり、楽しんでいたり、喜んでいたりするプラスの思考で過ごす時間では、どちらの時間が多い方が幸せに感じるでしょうか。もちろん、後者の時間が多いほうが良いでしょう。
『因果応報』という言葉があります。goo辞書では、『人はよい行いをすればよい報いがあり、悪い行いをすれば悪い報いがあるということ』とあります。思考も一緒ではないでしょうか。
マイナスの思考でいれば、負の出来事が多く起こり、プラスの思考でいれば良い出来事が多く起こるものです。
私自身、日ごろ無意識に湧き出る負の感情を受け止めつつ、前向きな感情に切り替えられるよう心を磨き、穏やかな人生を送りたいと思いました。
常務理事 中山 孝浩
最近の経理業務システムにおいて、銀行の通帳取引やカード決済による取引は、ネットを通じて自動で仕訳計上されます。さらに、カード決済時の領収証と明細、および銀行引き落とし時の仕訳に重複があれば、同一取引をAIが判断し再確認を促してくれます。
現金取引やキャッシュレス決済の領収証を携帯写真やスキャナー読み込みすれば、AIが過去の仕訳から同様のものを表示し、その中から選択すれば仕訳が計上されるようになっています。さらに、スマートレシート等のアプリを利用すれば、領収証が携帯やパソコンに即時に送信され、仕訳を自動計上することが可能となります。そんな時代が到来しています。
それに伴い、電子帳簿保存法や電子インボイス制度の導入が話題となっています。電子インボイス制度の導入は、必然的に電子化された証票や帳簿を保存することになるでしょう。いわゆる、DX化です。
DXとは、デジタルテクノロジーを駆使して経営やビジネスプロセスを再構築することです。近年、経済環境および経営環境は急激に変化しています。その中で生き残るためには、デジタルテクノロジーを駆使して、経営の仕組み、ビジネスプロセスを作り変える必要があります。もちろん、我々税理士も例外ではありません。
ここでは、とりわけ電子インボイスの導入に着目して、予想されることをみていきます。
①経理の透明化が促進され、不正防止につながるものと予想されます。②紙の使用が極端に減少し、SDGsに大きく貢献することになります。③2つの税率に効率よく、低コストで正確に対応していく経理の課題だけでなく、財務基盤の強化や経営判断に欠かせない仕組みとなるでしょう。
現行の「区分記載請求書方式」では8%と10%の税率ごとに分けた合計金額などを記載する必要があります。インボイス制度が導入されると、これらに加えて適格請求書発行事業者の名称、登録番号を記載しすべての適格請求書を7年間保管する義務が生じます。紙では膨大な量になり、仕入税額控除の申告等必要な請求書を照合するのは大変な作業です。電子データであれば保管場所をとることもなく、データの照合や複雑な税率計算もシステムにより簡素化され、コストもミスも削減可能となります。リモートワークにも的確に対応できるようになるでしょう。
それに対応してレッドサポートの仕事も変化していかなければなりません。経理の代行や申告書作成代行といった業務はますます減少していくでしょう。いま取り組むべきことは、適格請求書発行事業者登録を積極的に推進し、システムの徹底活用による経理業務の合理化と透明化支援です。さらに今後は、企業内で経営判断に必要な数値をより早くより正確に把握できる体制を構築し適正な利益の確保につなげることがより重要となります。
日本経済を支えているのは税に関わる我々であり、国民ひとりひとりであるとの自覚をもって、今年も経営者の皆様と共に歩んでいきたいと思います。
理事長 渡辺 忠
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