以前より、パート・アルバイトの雇用に関して「年収の壁(106万円の壁や130万円の壁)」といったことが問題となっていました。
パート・アルバイトの年収が一定額(状況により106万円又は130万円)を超える場合には、配偶者の被扶養者(第3号被保険者)に該当しなくなるため、自身が社会保険に加入しなければならず、手取収入が減少してしまうという問題です。現状はこれを回避する目的で多くの方が就業調整を行い、特に年末に雇用を確保出来ないということが大きな問題とされていました。
この問題に対して政府は、昨年(令和5年)に「年収の壁」問題への対策を実施しました。さらに厚生労働省のHPにおいて『「年収の壁」への当面の対応策』が更新され、具体的な手続き等が明らかとなりました。
まだまだ不明瞭な点もあり、今後もさらなる見直しが検討されていますが、現時点での対応策は以下のようになっています。
1.106万円の壁への対応
➀キャリアアップ助成金コースを新設
②社会保険適用促進手当を標準報酬の算定から除外
2.130万円の壁への対応
事業主の証明による被扶養者認定の円滑化(注)
3.配偶者手当への対応
企業の配偶者手当の見直しの促進
(注)年収130万円以上となる場合でも、収入が一時的に上がったものであることを事業主が証明した場合には引き続き被扶養認定が可能となります。
現状では、この取り扱いは連続2回までとされていますので、少なくとも令和5年と令和6年の2年間については年末において就業調整する必要はないと言えます。
なお、この取り扱いはあくまでも「一時的な収入変動」に対するものであり、その旨を事業主が証明する必要があります。事業主の証明様式は厚生労働省のHPからダウンロードできますのでご利用ください。
「年収の壁」への対応についてはまだまだ不明瞭な点もありますが、弊社スタッフが一緒に検討させていただきますので、まずは弊社スタッフにお声掛けください。
理事 岩崎 隆昭
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