月刊レッドサポート

『努力』という権限

「社長(上司)のOKが出ないので…」「本社の承認が下りないので…」などという話を良く耳にすることがあります。「権限がないからできない」「権限があればできるのに」と言いたいのかもしれませんが、果たして本当にそうでしょうか?

そもそも偉人とされる人物や名経営者と言われる方々は、はじめから権限を持っていたわけではなく、権限があったから成功できたわけでもありません。

成功する人たちは、「権限がないから」とか「決定権は相手にあるから」といった受け身の姿勢でなく、自ら動いて、権限(決定権)を持ったあらゆる人たちの心を動かし、その人たちの意思決定を変えるという攻めの姿勢を持っているのだと思います。相手が首を縦に振るまで創意工夫を重ね、努力を惜しまなければ、常に権限(決定権)は自分自身の中にあるという考え方です。

やりたいことを実現するために、不断の努力を続けた結果、相手が共感し納得すれば、それは、やりたいことを実現するための権限を持ったと同じことです。「権限がないから」と受け身の姿勢では、たとえ権限委譲されたとしても、できるようにはならないでしょう。

力(権限)がないからリーダシップを発揮できないのではなく、リーダシップを発揮しないから力(権限)が発現しないのです。

現在の自分が置かれた状況をもって「できる、できない」の判断をするのではなく、自分自身の無限の可能性を信じ、努力し続けることによって、できなかったこと、新しいことが成し遂げられるようになるのだと思います。

自分の中にある「努力」という権限は、自分自身の持つ可能性を無限に広げ、不可能を可能にしてくれるのだと思います。

理事長 渡辺 忠



経営とは、人を通じて物事を達成する技なり           

新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

日本には約250万の企業があるといわれています。その98パーセント程度を占めるのがいわゆる中小企業です。これらの企業のほとんどが、ある程度の規模までいくとパタッと成長の波が止まり、踊り場からなかなか抜け出せなくなってしまいます。稲盛塾長の言葉を借りれば、「中小企業とおできは大きくなると潰れる」ということでしょうか。

企業の成長が止まる原因は何でしょうか。最大の原因のひとつは、社長が社員に「任せる」ことができていないからだと考えています。「会社は経営者の器以上に大きくはならない」などとよくいわれますが、器のなかにはこの「任せる能力」が含まれています。

一人の人間にできることには限りがあります。頭も体もひとつしかなく、たとえ一睡もしなかったとしても一日は24時間しかありません。その制限のなかで企業の殻をひとつまたひとつと破りながら脱皮して成長するには、結局、任せることが必要になってくるのです。

アメリカにはこんな言葉があります。


経営とは、人を通じて物事を達成する技なり


経営とは、平凡な人に非凡な仕事をさせる技なり


自分のまわりの人をいかにして十分に活用するか、それこそが経営者には問われてくるということです。

加えていうならば、任せることは会社の成長につながるだけではなく、社員のモチベーション アップにもつながります。人は、任されればうれしいものです。自分を信じて期待してくれているということの証だからです。さらに、任されてチャレンジする過程で、社員は能力を伸ばすこともできます。任された仕事を成し遂げれば、達成感と喜びが生まれます。任せることは、このようなメリットがあるのです。

 経営者から社員へ、先輩から後輩へ。教えること、任せること、どちらが先でも構いません。

今年は、相手の成長を心から願うことから始めてみませんか

代表理事 渡辺

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