当事務所では相続税申告・相続税対策・相続税試算・事業承継などの業務をおこなっています。
「相続」とは、ある人が死亡した場合に、その人の財産について一切の権利義務を、子供や妻などの身近な親族が引き継ぐことです。そして、この場合死亡した人つまり相続される人を「被相続人」といい、財産上の権利義務を引き継ぐ人つまり相続する人を「相続人」といいます。この引き継ぎの時にかかる税金が相続税です。
遺産の総額を各資産ごとに評価し、合算して「課税価格」を算出します。そこから下記の「基礎控除額」を控除した残りが相続税額の対象となります。もし、ゼロになるようであれば当然相続税はかかりません。
実際に相続税はかかる?
基礎控除額=3,000万円+法定相続人の数×600万円
また「配偶者の税額控除額」という優遇措置があり、配偶者は1億6,000万円までの財産を相続しても相続税はかかりません。もし、課税価格が1億6,000万円ですべての財産を配偶者が相続すれば、相続税はかかりません。
相続税がかかる財産としては、誰もが考える土地、家屋などの不動産、現金預金、有価証券など目に見えるもののほか、ゴルフ会員権、電話加入権などの目に見えないものも含まれます。さらに生命保険金や死亡退職金も相続税がかかります。
相続税がかからない財産として、社会通念上相当な香典や、墓所などがありますが、生命保険金と死亡退職金については、一定額の非課税限度額(500万円×法定相続人の数)があります。
つまり生命保険金と死亡退職金は相続税がかかりますが、金額が非課税限度額以下なら相続税がかかりません。
税金は誰でも少なくしたいと思っています。しかし、どうしたら安くなるかを事前にチェックしないと、節税はできません。まして、相続税はコトが起こってからでは遅すぎます。財産を与える立場なら子供が二十歳になったら、もらう立場なら両親が元気なうちに、計画をたてて節税作戦をすすめていって下さい。
① 生前贈与・・・相続税の課税財産そのものを減少させてしまう方法
② 相続財産の内容を変える・・・財産の評価を低くしてしまう方法
③ 納税資金の準備・・・節税を意識しながら、税金の準備をしておく方法
この3つを柱にバランスよく節税対策を行っていく必要があります。
非上場の同族会社で業績の良い会社、あるいは含み益の大きい不動産等をもっている会社の場合には、相続税の課税の基準となる株式評価額が、額面の数十倍になることがあります。このような場合、この株式は換金できにくい財産であるため、納税資金を別途に調達しなければならなくなります。
株式の評価が高ければそれだけ納税資金も多額になるわけですから、円滑に事業を承継させるには、長期的計画をたてて毎年計画的に後継者に持ち株を移すことが必要とをなります。
相続税はなじみの薄い税金のため、「なんとなく心配」と考えている方が大勢います。
新聞やマスコミで著名な方が支払った高額の相続税額の報道や相続税支払いのために泣く泣く家を手放さざるをえなかった話を耳にしたことがあるからだと思います。
でも、はやい段階で相続税対策に取り組み、毎年きちんと計画をたてて生前贈与等を行っていけば、それほど恐ろしいものではありません。
必要なのは、まず現在の自分の財産を正確に把握し、その財産を相続税評価額で評価し、今の段階でどのくらい「課税価格」があり相続税が実際いくらかかるかを試算することです。