永年再雇用と老後経済の防衛

[1]職員さんの「近未来の最大の困難」

弊所の職員さん達が将来抱えるであろう最大の困難の一つは65歳の定年退職後の「年金生活における経済的な困窮」でしょう。弊所のような小規模事業者の定年退職後の年金は月額12万円前後だろうと思っています。一方配偶者の年金は月額6万円と仮定した場合、二人の合計額18万円で毎月の生活を送ることはとっても大変ではないかと考えています。
まして高齢化に伴い介護施設にはいったりした場合は一人入所でも月額10~15万円程度は必要になるでしょう
この時期の経済的困窮、つまり「老年期の経済的困窮」が「近未来の最大の困難」になると考えています。

[2]「老年期の経済的困窮」の解決方法

この困難の解決方法は一般的にいわれる「退職金」程度では解決できません。
民間の小企業が負担できる退職金額はせいぜい500万円程度でしょう。現実的には寸志(十万円・・・)程度の退職金もたくさん見かけます。たとえ500万円程度退職金を受領しても数年後には「確実な経済的困窮」が到来するでしょう。
この「老年期の経済的困窮」は「退職金」程度では解決できないと考えておくべきです。
これらの「老年期の経済的困窮」を解決する方法は次の二つの方法の並列モデルがベストであろうと考えています。
 方法①「給料は減額されるけれども働けるまで働ける制度」、つまり「永年再雇用制度」
 方法②「貯蓄資産で年利20%程度の利回りを確保できる老後収益補強の資産運用」

貯蓄は食いつぶすのではなく増やし続け、その増やした分で生活できるレベルを目指しましょう。

[3]「永年再雇用制度」の創設

「永年再雇用制度」次のようなかたちを考えています。

①従業員が定年を迎えた時点でいったん退職し、再び会社と年齢上限なしの1年毎の再雇用契約を締結。
②勤務時間・給与は再雇用契約時及び毎年の更新時に4H、6H、8H等の基本型を基礎にして従業員と会社との協議により決定する
③社会保険・労働保険等の加入は法律通り。

[4]「老後収益補強の資産運用」

貯蓄は食いつぶすべきではありません。断固、増やし続けましょう。食いつぶすという不安の中での老後は避けるべきです。
元金500万円程度の証券(1万円からの積立可)で毎月7万円程度の分配金(税引き後)が長期に継続しているものもあります。
このような証券ならば4~5年で元本が2倍になります。この程度の利回りがあればリーマン級の大暴落が(53%)20~30年毎に発生しても十分耐えられます。このレベルの証券は数銘柄はありますので老後の収益補強には絶好でしょう。

[5]永年再雇用制度でカバーできない不健康寿命期間

最近の平均寿命等(単位:歳又は年)は次のとおりです。(H280103日経新聞14頁)


平均寿命健康寿命不健康寿命
女性86.874.212.6
男性80.571.29.3

問題は右端の不健康寿命の期間です。この期間は仕事があまりできない又はまったくできない期間つまり会社からの給料がない又は乏しい期間となります。この不健康寿命の期間の必要資金を夫婦で月額25万円と考えると年金収入12万円+6万円=18万円程度ではとうてい賄えません。この期間の不足資金月額約7万円程度を確保する準備が必要となります。
この不足資金を(4)の老後収益補強の資産運用で補てんできるように準備すべきです。貯蓄の食いつぶしは断固避けましょう。